From:大森睦弘
神戸の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・階段の1段=飛距離250y。重力の凄さ」
というお話をさせていただきます。
あなたが今回のメールを読んでいただくことで、
スイングに無駄を省くことが、
いかに飛距離に大切かがわかってきます。
ちなみに森田理香子プロはヘッドスピードが毎秒45m、
飛距離が270yという数字もあります。
身長164cmぐらいの小柄な体では、驚きの飛距離ですよね。
でも、それが実現出来ている秘密は、
男女や年齢を問わず使える「あのチカラ」のおかげなのです。
「階段を1段あがれる力があれば、250yは飛ばせる」
重力のエネルギーの凄さを説明するときに、
私はよくこのように言っています。
多分、ほとんどの方は冗談だ、
わかりやすいように誇張表現しているだけだとお考えのことと思います。
でも実は、もっとすごい数字があります。
階段1段の高さは、約20cm前後です。
階段1段分を飛び降りたときのエネルギーは、
どれぐらいのエネルギーなのか計算してみると、あっと驚きです。
エネルギーの大きさを数字で見ても、ピンとこないと思いますので、
ヘッドスピードではどれぐらいの速さに相当するのかを見てみます。
ちなみに比較のために、まずは、先ほどの森田理香子プロのデータを
もう少し詳しくご紹介します。
森田理香子プロのヘッドスピードは毎秒45mとも言われています。
ヘッドスピードに対するボール初速であるミート率は1.43、
ボール初速は約毎秒64mです。
ボール初速の約4倍が飛距離とも言われますので、
ボールには約260yぐらい飛ぶエネルギーが伝わっていることになります。
(ボール初速が毎秒1mの差で飛距離が7y違うと言う数字もありますが)
ところが、弾道やクラブとボールの組み合わせが、
並の状態よりもマッチングが良くて、270y飛ばせるという感じです。
ただし、飛距離とかヘッドスピードなどは、
1回ごとの測定値ではないので、あまり正確には言えませんが。
では、体重70kの人が、階段1段飛び降りたエネルギーが
すべてヘッドに伝達しら、どれぐらいのスピードになるのでしょうか。
計算してみると、
ヘッドスピードで約毎秒37mものエネルギーになります。
え、桁が違う?
ただし、これは、飛び降りたエネルギーを100%
ヘッドに伝えられた場合です。
そんな100%もの効率で、軽いヘッドにパワーを伝達できるわけではないので、
せっかくのエネルギーは、ほとんどどこかに消えてしまいます。
しかし、重要なことは、階段1段分の高さで、
ヘッドが毎秒37mの速さになる程のエネルギーが、
やり取りされているという事実です。
もう少し、現実的な計算をしてみます。
トップから上半身が10cm落下して、
腕は50cm落下したときのエネルギーをすべてヘッドに伝えて、
ボールを打ち出す場合の飛距離を計算してみます。
ヘッドスピードに対するボール初速であるミート率が、
理論限界の1.5、飛距離はボール初速の数字の4倍という
一般的な数字をあてはめます。
なんと、トップから上半身や腕が落下するエネルギーを、すべてヘッドに伝えられたら、
それだけのエネルギーでボールは約150y飛ぶという計算になります。
わたしも改めて計算してみて、普段の感覚とは、
一桁も二桁もかけ離れたすごい数字に、アット驚きました。
計算した時の紙を添付したので、高校の物理を思い出して、
検算してみてください。
(単位などを間違えていると、結果の桁がおかしくなるので、注意します。)
図「階段1段分のエネルギーをヘッドスピードと飛距離に換算 & ダウンスイングの重力エネルギーを飛距離に換算」
(m(h)ヘッドの重さ約200g、m(b)体の重さ70kg、v(h)ヘッドの速度、v(b)体の速度、g重力加速度、腕は体重の6%、上半身は体重の54%、h落下する高さ、階段1段は0.2m腕は0.5m落下、上半身は0.1m落下)
重力の凄さを簡単に実感
クラブの中でも、ボールに効率良くエネルギーを伝えやすいドライバーで、
できるだけ力を使わず、肩の少し上ぐらいから落とすようにして、
軽くボールヒットさせてみてください。
結構飛びます。キャリーとランで100yぐらいは簡単に飛びます。
シャフトを短めに持って、ヘッドの芯に当てやすくして、
腕の重さだけでスイングすればいいのです。
ですから、重力をできるだけしっかり利用して、
それにちょっとプラスアルファーしてあげれば、効率の良いスイングが手に入ります。
力よりも効率、ようするに重力を使い、そして、あなたとクラブのマッチング、
ヘッドとボールの組み合わせや、ミート率をあげることです。
ミート率は、ヘッドの芯に当てる、フェースを軌道方向に向けて当てる、
加速しながら当てるなどを最適にすることで良くなります。
体そのものは、かなりの大きさのエネルギーのやり取りを行っているのですから、
そのエネルギーをできるだけ利用することが先決です。
体のやりとりする力の大きさと言えば、普段の生活でも、
ちょっと体をどこかにぶつけただけでも、かなり痛いです。
ほんのちょっとした動きで、力など使っていないと思う程度の動きでも、
思った以上の、かなり強い力で体を動かしていることがわかります。
そうですよね、こんなにも強い力である重力と、
いつも戦って体を動かしているのですから。
たまには、重力と戦うのではく、味方に付けたいものです。
重力をヘッドスピードへつなげる
ここまでで、重力による位置エネルギーの凄さがわかりました。
それをできる限りヘッドスピードへつなげるためのスイングとは、
どんなスイングでしょうか。
トップからは、上半身と腕、そしてクラブが、
重力で下に落ちるようにします。
この自然に落ちることを邪魔しないほど、
大きなエネルギーが体やクラブに蓄積されます。
例えば、手のひらに携帯電話を乗せて、
上から下へゆっくりおろしてみてください。
たとえ1mおろしてきたとしても、手で携帯電話をずっと支えていると、
携帯電話が重力で下に降りてきても、
エネルギーは、体の中で消費されてしまい、運動には使えていません。
携帯電話を手で支えながら、頭の高さから床に下ろしてきても、
携帯電話は静かに床に置けます。
ところが、携帯電話を頭の高さからいきなり離したらどうなりますか。
携帯電話の裏蓋が外れて、中の電池が見えてしまうぐらい、
携帯電話と床には大きな衝撃が発生します。
最初の例では、それだけのエネルギーが、体の中で消費されていたことになります。
それと同じことが、ダウンスイングで発生しています。
上半身や腕に上向きの力を入れていると、せっかく下に降りてくることで、
重力によって発生したエネルギーは、力を入れた体の中に消えて行ってしまいます。
明確に上向きに押しあげていなくても、落ちないように支えているということそのものが、
上向きの力を加えていることになります。
重力を活かした体の動き
重力を活かした体の動きとは、どういった動きでしょうか。
それは、落ちてきたエネルギーを、
ヘッドが体の周りを回転するエネルギーに変換する動きです。
上半身や腕とクラブが落ちて行く向きを、
回転する方向へ変えることに力を使います。
ということは、ダウンスイングでは、体やクラブを、
上へ持ちあげる方向へは力を使わないということです。
上半身や腕とクラブが下に落ちることを、できるだけ邪魔しない方向へ力を使います。
そのためには、トップでリラックスできていなければ、無理です。
下半身では、上半身を支えるというよりも、
回転させることに、できるだけ多くのエネルギーを使います。
両脚で地面をとらえますが、上半身を上に持ちあげる方向ではなく、
体幹である背骨を回転させることに力を使います。
上半身は下に落ちなくても重心は下に落ちてくる
実際に頭の高さがトップの位置から下にさがらなくても、
背骨を中心として、体が地面の方向へ回転すれば、それだけで、重心は下に落ちます。
背骨の前側には重い内蔵がたくさんあります。
ですから、バックスイングで背骨を中心に右にターンすれば、
下を向いている体の正面が右斜め上にあがることになります。
そうすると、重心は自然に右斜め上に移動して、位置エネルギーが溜ります。
これは、起き上がる動きではなく、体が背骨を中心にターンすることで、
重い内蔵が、向いた方向に移動するということです。
体の感覚で言うと、右足の斜め上に、重心が移ってくる感じです。
トップに向かって右脚を伸ばしながら、右のお尻を右後ろポケット方向へ押し込み、
左サイドは斜め下に落ちてくる動きをすればいいです。
そうするとトップでは、頭の高さがセットアップと同じだとしても、
背骨を中心にターンして、重い内蔵が動かされる分、重心は右斜め上にあがっています。
当然、腕とクラブも体の回転により発生した
ヘッドの動きに引っ張られるようにして、上にあがっています。
そうなると、トップでは体とクラブ全体の重心は斜め上に登っています。
ダウンスイングでは、両脚で地面を踏もうとイメージして、
右股関節を少し入れるようにして、右脚を少しゆるめます。
そうすると、右斜め上にあがっていた重心は、重力に引っ張られて、
勝手に下へ落ちてきます。
そこで、右股関節だけではなく、両脚で地面を踏もうとするイメージがあれば、
左股関節も少し入ってきます。
この動きは、映像で見ても、通常のショットでは、はわかりにくいですね。
両脚で地面を踏む動きをイメージすることがキーポイントです。
そして、この両脚で地面を踏もうとする動きだけで、
腰はゆっくり左へターンを始めます。
さらに重要なことは、この両脚で地面を踏もうとする動きは、
重心が下に落ちてくる動きを邪魔しているわけではないということです。
上半身と腕とクラブの落下に合わせて、両股関節を曲げるように入れてくればいいのです。
この両脚で地面を踏もうとするだけの動きが、
実は重力で落ちてきた上半身と腕やクラブの落下のエネルギーを、
ヘッドを振るという、回転する方向への動きに変換してくれます。
ここまでで、重力のエネルギーを使って、
150y分ぐらいのエネルギーが得られます。
それが、そのままヘッドスピードになればいいですね。
しかし、あなたは、この150y分のエネルギーの何%を
ヘッドスピードへ変換できているでしょうか。
無駄な力を使って、こんなすごいエネルギーをどこかに
捨ててしまっているのではないでしょうか。
あなた、ご自身の力だけを使って、ヘッドを振り回していませんか。
下半身は片脚でも、階段1段分あがる力を持っています。
ということは、両脚を使い切りそのパワーを足せば、
約200y分の2倍ぐらいの力があります。
下半身の400y分ぐらい飛ばせるパワーと、それに上半身のパワーを付け加えれば、
とんでもなっく飛ばせるエネルギーを叩き出すポテンシャルがあります。
なんだか250yぐらいなら、パワーを出すことよりも、全身のエネルギー効率を、
いかに良くするかが勝負だと、思えてきませんか。
上半身の起き上がりは100害あって一利なし
ダウンスイングで上半身が起き上がるなどということは、論外です。
でも、この問題は多くの方に起きています。
起き上がり動作では、せっかく大きなエネルギーのやり取りができる重力を使うどころか、
重力に反して無駄なエネルギーを使うことになります。
当然、その分、エネルギーはヘッドの加速には使えなくなります。
さらに、起き上がるという動きは、クラブを手で振り回そうとするがゆえに、
体を起こす動きで腕を振って、手首をリリースさせようとしていることが原因です。
手首のリリースが早まると、ボールヒットに向かってエネルギーを溜めて、
それを一気に吐き出すことができません。
手首のリリースで急激にヘッドは地面に近づき、
ヘッドの高さのコントロールは劇的に難しくなり、ダフリやトップの可能性が高くなります。
そして、ボールヒットに向かって、早い段階でエネルギーを放出してしまうことで、
ボールヒットではすでにエネルギーがほとんど使い果たされて、
ヘッドは減速しながらボールヒットします。
そうなると、ヘッドはボールに当たり負けして、
ヘッドスピードに対するボール初速であるミート率が悪くなるばかりか、
フェース面も安定せず、ボールは曲がりやすく、さらにはスピン量も不安定で、
ボールの転がりや、あがる高さもバラバラとなります。
飛ばず、曲がり、距離感もコントロールできないボールとなってしまいます。
重力はものすごいエネルギーを発生させるだけではない
重力はものすごいエネルギーを発生させるだけではありません。
地球のどこに行っても重力はほぼ一定です。
ま、重力は一定と言っても、緯度経度や高度、太陽と月の位置でも変化して、
北極と赤道では1%ぐらい違うようです。
いずれにしても、体を動かすぐらいのことに対しては、
問題となるほと変化しないと考えていいです。
重力が一定なら、その一定な力を頼りに、スイングのリズムを作っておけば、
いつも同じリズムでスイングできるようになります。
人は興奮すると、心拍数があがり、動作のリズムも早くなります。
そんなささいと思えることだけで、スイングが崩れるきっかけになります。
再現性の高いショットのためにも、是非、いつも同じでかなりのエネルギーを
発生させる重力を、味方に付けたスイングをこころがけたいものです。
実際には
実際には、無駄が多く、重力はほとんど使いきれていません。
体の動かし方での無駄は、あなたの努力で、なんとか減らせる可能性のある無駄です。
ところが、用具での無駄な消費があります。
ヘッドがボールにぶつかるとき、加速していなかったとして、
ヘッドとボールの重さが同じで反発係数が1なら、ヘッドのエネルギーは100%ボールに伝わります。
しかし、ヘッドとボールの実際の重さの差は大きいです。
ヘッド約200gに対してボール約45g。
実際のスイングでは、ボールヒットでヘッドは単に等速運動ではなく、
まだまだヘッドにエネルギーが加えられ、加速している最中ですから、
エネルギー伝達はもっと複雑です。
ヘッドはボールほど軽くはないし、ヘッドが軽すぎると、
逆に体のエネルギーをヘッドに効率よく伝えられなくなります。
そう言えば、ボールを打ち抜いても、まだヘッドはかなりのスピードを保ったままです。
その分のエネルギーを、ボールに伝えられなかったことになります。
いずれにしても、しっかり心に留めておいていただきたいことは次のことです。
階段を1段登るエネルギーのやりとりで、
ボールを250y以上遠くまで飛ばせるだけのエネルギーを得られる。
そして、重力は一定なので、それを動きに連動させると、リズムは一定にできる。
力ずくではなく、いかに、無駄なくエネルギーをボールに伝え、
リズムをいつもと同じにできるか、これが飛距離は当然ですが、
ボールをコントロールするためにも、ものすごく重要なことです。
では、また。
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