2019.04.23
From:江連忠
神戸の自宅より、、、
こんにちは、プロゴルファーの江連忠です。
今回は、
「なぜ、タイガーは優勝できたのか?」
というテーマで、お話ししたいと思います。
これをお読みのあなたもご存知の通り、
先週のマスターズで、タイガー・ウッズが優勝しました。
もうあれから1週間が過ぎましたが、せっかくなので
なぜ今年タイガーが復活して優勝できたのか、
私なりの感想を少し、話してみたいと思っています。
43歳での優勝は歴代2位
ご存知の通り、今回の14年ぶりのマスターズ優勝は
タイガー・ウッズ「43歳」での優勝です。
あのジャック・ニクラウスが1986年に
「46歳2か月23日」で優勝した
大会最年長記録に次ぐものでした。
今回は優勝は、アメリカや日本のみならず、
世界中のゴルフファンが喜んでいると思います。
もちろん私も寝ずに、文字通りテレビにくぎ付けになって、
タイガーの応援をしていました。
今回のタイガー・ウッズのスイングを見て、
やはり一番に挙げたいのは
「非常にバランスのよいスイング」
をしていた点です。
今までのようにパワーで押し通すことをせず、
あるいは自分の力でねじ伏せる、という雰囲気でもなく。。。
非常にバランスの良いフィニッシュで、
ボールをコントロールしていました。
おおまかな違いとしては、足の線が若干クローズになって
腰・肩・腕・目線などは、スクエアになっていました。
それはやはり、ドライバーでドローを打つにしても
フェードを打つにしても、本当に非常にニュートラルなアドレス、
というふうに、私には見えました。
1953年のベン・ホーガンにも通じる…
ご存知の通り、私もベン・ホーガンのスイングを
長年研究しているわけですが、
ベン・ホーガンが好調で「メジャー三冠」を達成した
1953年あたりのティーショットの打ち方、ドライバーの打ち方に
近いものが、今回のタイガーには見て取れました。
とはいえ実際、試合に勝つということは
ティーショットだけでは達成できません。
ショートゲーム、パッティング、メンタル、体調。。。
そして運といったものも、当然必要になってきます。
そういったものが全て、自分のほうに向いていかないと
こういう特に大きい試合では優勝することは
なかなか難しいものです。
ですが特に、今回の最終日は天候を考慮して
イン・アウトを3人で回るという異例の事態になったこともあり
(通常マスターズの決勝は2サム&全組1番スタート)
実際目の前の相手と一緒にラウンドすることで
・相手のプレーを見て、自分のゲームをしっかり組み立てる
・いい意味で、相手にプレッシャーをかける
ということが出来たのではないかと思います。
5番ホールで毎日ボギーを打っても勝てる力
今回のタイガーは、同じホール(5番ホール)で
毎日ボギーを打ちました。
それでも試合に勝てたというのは
本当に珍しいことではないかと思います。
5番ホールでは毎回ボギーを打つわけですが、
加えてタイガー・ウッズはこの大会の初日、2日目と
ロングホールではあまりバーディーを取っていませんでした。
ですが3日目と4日目には
バーディーの取れていなかったそのロングホールで
きっちりと取りこぼしなく行くことができたので。。。
それも優勝に結び付いた要因だと思います。
ともあれ、1番ホールのティーショットから非常に
スムーズなスイングができていると思いました。
特に、アイアンショットのバランス感覚は
素晴らしいものがあったんじゃないかと思います。
マスターズのコース
「オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ」は
傾斜地から打つショットが非常に多く、
・いろいろな傾斜地から
狭いターゲットに打たなければならない
・かつ、スピンをコントロールしなければならない
のですが、それをタイガーはきっちりと
バランス良くやりきっていました。
特に最終日のバランスの良さは
(フランチェスコ・モリナリのバランスに匹敵するくらいのもので)
見ていて感動するものがありました。
15番ホール以降は完璧なゴルフ
それと決勝ラウンドでは、
タイガーに非常に運があったというか
ラッキーなことが起こっていました。
11番のティーショットでは、
決勝の2日間で右の林に行ったものの、
セカンドショットでグリーンを狙える位置に。
そしてしっかりそこからグリーンを捉えて
パーで上がることができました。
13番のパー5も多少引っ掛け気味だったり
木に当たったりしていたものの、二日間ともバーディー。
14番も、ティーショットが初日、二日目と左に出ていたのが、
最終日では、きっちりフェアウェイを捉えて。。。
バーディーこそ取れず、パーだったものの、
良いアイアンショットを打っていました。
15番以降は、本当に完ぺきなゴルフと言うか、
ゲームプラン通りのものができたと思います。
15番ではティーショットを若干フェード系に打って、
セカンドショットは安全なグリーンのセンター。
ピンを全く狙わずにきっちりとグリーンを捉えて
2パットでバーディー。
チャンスホールである16番ホールも
やはり本当に計算された球を打ち、
しかもそこから傾斜を使って、OKにつけるという。。。
本当に見ていて鳥肌が立つようなゴルフでした。
17番と18番は、ティーショットが打ち上げで
距離も出さなければいけないところ。
ターゲットも絞りにくく、難しいところです。
17番はおそらく、タイガー・ウッズでも
ティーショットを20年数年ほど打っている中で、
フェアウェイヒット率は、それほど高いホールではないと思うのです。
(逆に18番は打ち出しが狭く、フェアウェイヒット率は高いと思いますが)
17番ホールは、右にも左にもよく曲げているところを見ましたが、
そこでしっかりとフェアウェイを捉えて、後のセカンドショットを
見事にグリーン左3~3m半くらいに付けて。。。
本当に、初日・2日目・3日目と肝心なところのティーショットが
そこそこフェアウェイを捉えていました。
最終日に限って言えば、非常に高い確率でフェアウェイをキープし、
その後にグリーンをヒットする。
本当に我慢強いというか、
飛距離ではなくて技術、頭脳、経験が勝っていたのも
今回のタイガーは、見ていて面白かったなと思います。
今年のタイガーは、来るぞ…
あと、いくつか挙げたいところはあるのですけれども。。。
戻って最終日の9番ホールではピンが例年通りというか、
左の真ん中の段にあり、
それをセカンドショットでフライヤーしたのか
ちょっと体が止まって球が飛びすぎたのか、
20m近く奥に行ってしまい。。。
その一番奥のところから、次のパットをOKに付けたのは、
まさに奇跡ですね。
見ていて、ここでボギーを打ってしまったら
非常に流れが悪くなるところを
きっちり2パットでいった。
あのあたりを見ていて、
「今年のタイガーは、やはり最後まで来るぞ」
と、ドキドキしながら見ていました。
最終日、次の10番のティーショットは
スプーンで打って右に行ってしまったものの、
それ以降は本当に我慢強いというか自分のことを
しっかりマネジメントしながら行って
最後の優勝に結び付ける。。。
本当に映画をずっと見ているような気持ちで
観ていました。
今回の初日からのタイガーのゴルフ、
タイガーのスイング、タイガーだけのところを編集して
またいろいろ研究をしていきたいと思っています。
今回のタイガーの優勝で、ゴルフ界が更に活性化されて
今後のメジャーが楽しみになってきたなと思います。
5月には、8月から5月に日程が移動された全米プロがあります。
こちらにもどんな状態でタイガーが仕上げていくのか、
あるいは、PGAがどんなコースにセッティングするのか楽しみです。
続く6月のペブルビーチの全米オープンも
非常にこれで楽しみになりました。
今年中にタイガーがメジャーで勝つチャンスが
もう一回あると思うので、
今年一年間タイガーから目が離せないと思います。
これからのタイガーは、全ゴルファーの参考になる
あなたもご存知の通り、私もいろいろな教材を
こちらで発売させていただいています。
基本私のスイング理論は、
ベン・ホーガンのスイングがやはりメインです。
ベン・ホーガンのスイングはどのコーチも勉強して
いろいろな理論を作っていくわけです。
今までのタイガー・ウッズのスイングは
パワー、柔軟性といい。。。
やはりアマチュアの人が真似できないところが
非常にあったと思います。
ですが、今回からのタイガー・ウッズのスイングは、
滑らかさも、バランスも、リズムも含めて。。。
アマチュアの方も取り入れやすくなっている、
非常に「基本に忠実なスイング」になってきました。
それはあたかも、私が日々オススメしている
ベン・ホーガン、サム・スニードといった。。。
非常に滑らかで躍動感があり、年齢を重ねてもできる、
芸術性があるスイングになっているなと感じました。
タイガー・ウッズの今のスイングは、
あなたのゴルフの勉強になると思います。
ぜひ、参考にしてみてください。
私が詳しく解説しているベン・ホーガンのスイングとともに
今年のタイガーのスイングも、
一緒に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
追伸:このメルマガ読者限定のご案内
(明日4/24まで)
そのタイガーの優勝を祝して
私の教材「ザ・エフォートレスパワー」を
ご紹介しています。
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ゴルフは人生を豊かにする素晴らしい方法。
江連忠でした。