From:大森睦弘
岐阜の自宅より、、、
こんにちは、大森睦弘です。
さて、今回は
「技・機能の多さよりも安定性」
というお話をさせていただきます。
しっかりした基本の上にバリエーションを積み上げることの
大切さについて、あなたと一緒に考えてみたいと思います。
ゴルフに限らずプロが使う技やツールは、
機能が多いというよりも、必ずできるという安定性が大切です。
これをやれば、これを使えば必ずできるという確実性です。
ゴルフの練習方法から、実際のラウンドでの
ショットの選択方法などまで、本来はどうあるべきかということを、
必ずできるという観点から具体的にお伝えします。
ゴルフツアーでの例
例えば、片山晋呉プロが5番アイアンは定常的には入れていないということが、
確実性を積み上げるということを如実に表現しています。
あんなに素晴らしいスイングの持ち主で、ツアーの永久シード選手ですら、
あなたが使っているかもしれないクラブを、
確実性に満足できずに使わないなんて、信じられないですね。
女子ツアーでもアイアンは6番までという選手は多いです。
そして、ツアープロのフルショットは、力感が8割程度です。
100%力を出してクラブを振ってしまったら、
ツアープロだって、曲がりをコントロールすることは難しくなります。
ドライバーですら、飛ばそうとすれば300y以上飛ぶところを、
280y程度でコントロールするなどとなります。
あなたは、その逆で、目一杯振って最高に飛んだ時のまぐれ当たりの飛距離を、
ご自分の飛距離と勘違いして、ラウンド中にそれ以上飛ばそうとしていませんか。
ただし、ツアーでのコースセッティングでは、
ツアープロたちが必ずできるという技だけで試合をさせないように、
いろいろ難しくしているのですが。
グリーンを狙うショットでは
アマチュアゴルファーの憧れ、中部銀次郎さんは、
グリーンセンター狙いで有名です。
ピンに50yからでもグリーンセンターを狙うようにと言われたら、
あなたならできますか。
できないですね。
だからスコアをおろそかにしているということになるのです。
さすがに50yなどではできないとしても、せめて100y以上あるときは、
絶対ピンは見ないでグリーンセンターなり一番安全にボールを運べそうな場所に
真剣に打つことだけは、実践しましょう。
アプローチショットでは
あなたはグリーンまわりのアプローチショットになると、
何も考えずにウエッジを手にしていませんか。
それでは、かなり損をしています。
アプローチの基本は、次の手順で考えることが重要です。
(1)まずはパターで転がして寄せられないか
(2)9番アイアンで転がして寄せられないか
(3)ウエッジのノーマルショットで寄せられないか
この3つのことを全部ギブアップしたら、
はじめて、ウエッジなどでの特殊なショットの選択となります。
なぜアイアンの転がしが9番と限定するのか、
ということに関しては、いろいろご意見もあると思いますが、
これは単に私の好みと考えていただいてもいいです。
理由はいろいろあるのですが、やっぱり、単に私自身が
これならイメージした転がりをだせるとはっきりした絵を描けるからです。
ですから、この9番で転がすというところは、あなたなりに、
8番だとか、7番などに置き換えてもいいです。
さらには、転がすクラブをたくさん用意しても悪くはありません。
特に、ユーティリティアイアンではかなり転がり良く打てますから、
練習できるなら転がしのクラブのバリエーションは多いほど武器になります。
また、パターも芝が順目の登りなら、まあまあ芝があってもよく転がります。
練習で試してみると案外驚きですから、やってみてください。
でも、実際にはそんなに多くのクラブでタッチを練習することは
時間的にもおいそれとできるものではないので、
私は9番でいろいろ転がしをやってみることを、まずはおすすめしています。
いずれにしても、ウエッジでボールを上にあげて
バックスピンをかっこ良くかけて寄せることしか考えていないとしたら、
スコアをおろそかにしていることになります。
実際、同じクラブで打つことを徹底して練習して、
それだけを使うということも一理あります。
しかし、わざわざ難しい技を練習して、自己満足に浸るというのは、
上達を阻む大きな要因です。
アプローチショットのバリエーション
アプローチショットには数多くのバリエーションがあります。
アプローチのバリエーションは20とも30とも言われますね。
ある意味、アプローチショットはイマジネーションを
活用できる楽しいショットでもあります。
ところが、アプローチショットでの本当のノーマルショットを知らないまま、
バリエーションばかり練習しているということが多いです。
本来は、ノーマルアプローチを徹底的に身につけ、
それをベースとして、バリエーションを追加するべきです。
ベースとなるノーマルの動きが身についていないのに、
バリエーションを練習しても、うまく打てるわけがありません。
逆に、ノーマルの動きがしっかりしていれば、
簡単にバリエーションを追加することができます。
男子プロの多くは、ウエッジでフェースを2~3度開いて使うことが多く、
それがノーマルだと勘違いされていることがよく見られます。
しかし、本当の意味でのウエッジショットのベースとなるノーマルショットでは、
フェースは開かずターゲットに精密に向けます。
バリエーションの例としては、たとえば、ちょっとスピンを多くしたければ、
フォローでフェースを顔に向けようとすることで
ボールヒットでのリアルロフトを大きくすることができ、
その分同じ距離打つなら強く打てるのでスピンは多くなります。
通常ショットでもスピンを多くしたければ、短めのクラブをしっかり振り、
スピンを減らしたいなら長めのクラブをゆったり振ればいいです。
低く出てスピンをかけたいなら次のようにします。
ボールを上から潰すイメージでボールを右足寄りに置き、
ロフト増大のためフェースは開いて、フェースをターゲットに向けるために
ハンドダウンにして、強く加速するためにパンチを入れるように打って
フィニッシュを低く止めることで体幹をしっかり使って打てばいいのです。
ま、低く出てスピンで止まるロースピンは文章で書いても
チェックポイントが多いので、難しい部類のアプローチショットです。
高く上にあげて止めたいなら、バンカーショットのように
ボールの手前にバウンスを当てるように入れることで実現できます。
しかし、芝でバウンスをボールの手前に入れる場合は、
バンカーに比べてめちゃくちゃ精度良く入れなければならないので、
難しいショットになります。
ノーマルアプローチ練習で、ヘッドの入れ方が安定していれば、
難しいロブショットも成功確率は高くなりますね。
転がりを多くしたければ、短く持ってハンドアップすることで、
ヒールを浮かせて、ヒールが浮いてフェースが右を向いた分フェースを閉じて打てば、
低く出て転がりの多いボールになります。
このように、ざっと見ただけでもかなりのバリエーションがあるアプローチショットでは、
そのベースとなるノーマルアプローチショットの精度が命となります。
ですから、まずは転がせない場合には、
ノーマルアプローチショットで対応することを考えて、それではうまくいかない場合には
できる範囲でバリエーションを追加するようにします。
とはいえ、ノーマルアプローチショットの精度が良くなれば、
かなり多くの状況で素のまま使えます。
バンカーショットでは
ツアープロのバンカーセーブのトップ50位ぐらいまでの
セーブ率はだいたい50%ぐらいです。
バンカーセーブというのは、バンカーから出してワンパット以内となる確率です。
ということは、バンカーから出してワンパットで入れるなんてことは、
かなり難しいということになります。
ならば、バンカーにはいったら、そこから3打、
ようするにバンカーから出して2パットであがれれば上出来と考えるべきとなります。
そう考えると、バンカーショットは、かなり簡単なショットになります。
ボールの手前10cmぐらいを狙ってバウンスを砂にぶつけ、
フォローでフェースを顔に向け、フィニッシュでは手元が
肩の高さぐらいまであがるイメージでショットすればいいのです。
バウンスの入る位置はボールの手前10cmに対して、
前後5cmぐらいまでならまあまあボールは出ます。
バンカーでは絶対トップだけは避けなければならないので、
これぐらい手前に入れればまずトップすることはありません。
とはいえ、あまりにも手前過ぎると、バウンスで叩かれでボールに向かって
ヘッドが上に浮いてトップすることにもなりますので、
やはりボールの手前15cm以内までにはバウンスを入れる必要があります。
このボールの手前10cmというのは、あくまでも目安で、
砂の状態とか、雨などで変化します。
練習して、これぐらいの軽さの砂なら何センチぐらいとか
体験しておくことをお勧めします。
顎が高い場合は、グリップを手のなかで回して
フェースを開いて、ボールから離れます。
たったこれだけセットアップで調整すれば、
シャフトが寝てフェースを開いた分フェースをターゲットに向けることができ、
スイングを変えないでロフトが大きくなり、
かつ、バウンスをたくさん出すことができます。
このセットアップの調整だけで、ボールは上にたくさんあがって、
まあまあ高い壁も超えていきます。
バンカーショットを特殊にし過ぎてスイングを変えるほど、
次のショットへの影響して、次のショットが乱れます。
ですから、軌道などをカットに入れようとするとか、
軌道を大きく変えることはできるだけ行わないようにします。
ちなみに、フォローでフェースを顔に向けるということは、
前腕を絶対に左へねじらない打ち方になります。
これは、実はドライバーからアイアンショットまで、
前腕を左に捻じりすぎてショットがおかしくなった場合の、
すべてのショットを安定して打つための修正にも効果的な動きとなります。
ドライバーショットが左引っ掛けとか、調子が悪くなったら、
バンカーショットのフォローでフェースを顔に向けるノーマルバンカーショットを
しばらく練習するだけで、ドライバーショットを打たなくても調子が戻ります。
バンカーではなくても、土の上などでラインを引いて、
そのライン上にヘッドを正確に落とすフルショットでの素振りを行ってもいいです。
ただし土の場合はバウンスの当たりが強すぎるので、
使うクラブは9番~6番アイアンがおすすめです。
いずれにしても、バンカーに入るときというのは、
なぜだかショットが良くないときです。
ま、狙ったところに飛んでいないとか、
実力以上のことをやろうとしている証拠ですから、
当たり前といえばそうなのですが。
少なくとも、私の場合はそうです。
ですから、バンカーに入ったら、フォローでフェースを顔に向けるようにして、
左引っ掛けなどの崩れたショットを修正するぐらいのつもりでバンカーショットすれば、
きっと次のドライバーショットは、見違えるような素晴らしいショットとなります。
パッティングでは
パッティングでは何を考えたら良いのかわからないという方も多いですね。
そこで、これだけは考えるといいという点をお伝えしますので、
その他雑多なことはわすれ、これからお伝えすることに意識を集中させましょう。
パッティングは登りのラインがやさしいのですが、
まっすぐの登りばかりではありあませんね。
そこで、まっすぐの登り以外の時のイメージとして、パッティングではとにかく、
カップに対して傾斜の上からボールをホールに転がし入れるイメージを描きます。
カップの上からはいるラインを読んで、
そのラインに乗せることに集中すればいいです。
パッティングのスコアの悪い方の傾向として、
傾斜の下側に外す確率が高いことがあげられます。
ようするに、曲がりの読みが浅いのです。
そして、なんといってもカップの上からなら入る可能性のある間口は広くなります。
そして、当然ですが、カップの下に外れたボールは絶対カップインしません。
カップの上なら、何かの拍子で入るかもしれません。
ところで、傾斜がある場合、打ち出し方向が狂うと、
タッチが合わないって、知ってましたか。
そういえば、前回のメルマガでお知らせしているので、
しっかり覚えていていただけたかもですが。
例えば、フックラインに対して、狙ったタッチで打ち出したら入るという方向よりも、
左に打ち出したら予定よりも下りに打つことになりオーバーし、
右へ打ち出したら登りの分ショートします。
ですから、イメージしたホールの上から入るラインの方向に対して、
きっちり打ち出すことが第一となります。
練習では
練習場でショット練習を行う普通のパターンは、ウエッジを何発か打ったら、
ショートアイアン、ミドルアイアン、ロングアイアン、ドライバー、
そしてスプーンなどを打って最後にウエッジで整理体操という感じでしょうか。
しかしおすすめは、腰から下の振り幅で、フィニッシュで腰をフルターンさせる
サンドウエッジで15yキャリーさせるショットを徹底して行うことです。
サンドウエッジで15yキャリーのなかで、ショットの問題点を修正して、
できたかなと感じたら、いきなりドライバーなどで2~3発ショットしてみます。
トライバーなどは、ショットの完成度を確認する程度と考えます。
ドライバーショットで直接スイングを修正しようとするほど
難しいことはありません。
簡単な状況、体の動きを感じやすい状況で、問題点を修正する方が、
上達の効率は格段に良いです。
今回はオムニバス形式で細切れ的なお話を集めた形にしてみました。
それぞれのお話は軽い範囲で止めていますので、
ちょっとしたヒント集として活用していただけるかなと思います。
いずれにしても、ベース作りをしっかり行い、その安定したベースの上に、
応用を積み上げる、あたりまえのようなことですが、
この機会に、あなたの普段のゴルフの行動を振り返ってみませんか。
きっと多くの無理な行動を発見できます。
では、また。
追伸
私が監修・出演している「JSNX for Golf」が
明日5/9(月)までの期間限定キャンペーン中だそうです。
ゴルフが出来ない身体を元の状態に戻す、
飛距離を今より伸ばすなどが実現できるという、
ちょっと今までにはないノウハウになっています。
まだご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。
↓
http://g-live.info/click/jsnx1605/
急ですが、5月10日(火)に、岐阜県で、レッスンを開催します。 あと2名参加できますので、 サンドウエッジで15yキャリーの徹底や、シャドースイング等、
追・追伸
興味のある方はぜひ、ご参加ください。
盛りだくさんの内容となっています
↓
http://g-live.info/click/ohmlg1605pdf/
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ゴルフ場や練習場でのラウンド前や終了後や練習前や終了後の体の調整や整理を各人夫々工夫してやっていますが、基本となるやり方があればアドバイスをお願いします。
Q:「ラウンドや練習前や終了後の体の調整方法などの基本となるやり方があればアドバイスをお願いします」
運動前は、動的ストレッチング、運動後は静的ストレッチングが基本です。動的というのは、連続して伸ばす時間を5秒以内にしてストレッチ動作を繰り返すことになります。静的と言う場合は、連続して30秒以上2分以内ぐらい伸ばすことを言います。静的ストレッチングでは、筋肉とその中のセンサーの働きは鈍感になるため、運動前は控えるようにします。そうしないと、パフォーマンスが出ないばかりか、怪我の原因にもなります。しかし、運動後は、使われた筋肉は本来の長さよりも短くなったままになることがあり、そのまま放置しておくと、血流低下、さらには拘縮(硬くなること)などが発生してしまいます。ですから、運動後はできるだけ早い段階で、使った筋肉を軽く伸ばすことで、本来の長さにもどしてあげることが大切となります。そのために、静的領域での軽く伸ばして、絶対に痛みを感じない程度のストレッチングを行うことが、体のコンディションを良い状態に保つためには効果的となります。特に、可動域増加を目的ではなく、筋肉の長さを本来の長さに戻す程度の強度で1分程度伸ばすストレッチングは、マイクロストレッチングという領域になります。マイクロストレッチングは、是非お勧めですので、運動後に必要箇所を1分程度かけてゆったり伸ばしてあげるようにしてください。
さらに運動前では、筋肉の積極的収縮を行うことで、神経系を刺激でき、かつ、いまから使う筋肉に血流を流すことができます。
『必ずできる安定性』が大切ということを改めて認識しました。
練習で『SW15yキャリーショット』を徹底して行うことはもちろん、コースでも実践できるように意識します。ピンを狙いたくなる気持ちを抑え、安定性のある技で攻めることに専念しようと思います。
『9番アイアンで転がして寄せる』を実践してみました。
練習後、上り傾斜の15ヤード先のカップを狙い、5ヤード先のグリーンにキャリーさせることのみ意識して10球アプローチしてみました。
結果は自分でも驚きですが、カップイン1回、ピンに当たったのが2回、残り7球も1m以内に寄りました。同じ場所から打ったということもありますが、いつも使っているPWの転がしよりもイメージ合いました。
『必ずできる安定性のある技』として習得したいと思います。
下記以外に注意するポイント等ございましたら、お教え頂けると助かます。
□ ヒールを浮かす、ヒールを浮かして開いた分、フェースを閉じる
□ シャフトが短くなるようにグリップの根元を握る
□ 脚を完全に固定。(若干左脚に荷重を多くする)
□ パターのイメージでトゥ側でヒット (両側肩甲骨を活用したストロークを意識)
よろしくお願い致します。
Q:「注意するポイント等」
どれぐらい転がるものなのかは、予めやっておくことは重要です。
技術的には簡単でも、感じがつかめていないと使い物になりませんので。
また、コーチングなどでよく見かけるのは、下半身を完全固定と言っても、パターではなく9番などの普通のクラブを持ってしまうと、つい下半身を動かしてしまう方は多いです。頭でわかっていても、体が反応してしまうというところでしょうか。その点はかなりしっかり注意して、やってみてください。
注意するポイントの件承知致しました。
ご回答ありがとうございました。